朧の月亮

雑多な投稿・思ったことを気の向くままに

目標なく漂泊することの焦り―大人びた元同級生を見て―

ゴールデンウィークで札幌に帰省した際に、中学時代の元同級生と再会した。彼は同い年であるはずなのに、とても大人びていた。

私は高校に進学してからも、数回、彼と会っている。会うたびに、ただの懐かしさではない、焦りのような感情を抱くのだ。

 

高校時代に彼と会ったときは、駅前のマックで食事を奢ってもらった。当時彼はバイトをしており、学校の課題やプロジェクトに追われて余裕を失っていた私の目には、とても心強く映った。そんな彼は今働いている。市内の高校に在学中に資格を取得し、高校卒業と同時に就職したそうだ。彼が言うには、大学に行くのもよかったが、 や り た い こ と が 決 ま っ て い な い の に 大 学 に 行 く と 続 か な く な る のだという。そうするよりは、食いっぱぐれずに就職することを考えた結果の職だった。

ホームに列車が滑り込んでくる。やけに明るく照らされた車内には、20時だというのに人はまばらだ。立たなくとも、座って乗車できそうだ。1か月前まで当たり前だったはずの光景が異常に思えた。北海道の地方都市では、少子高齢化の影響もあってか人口が年々減少している。若年・壮年人口は札幌か、あるいは東京などの道外に流出する。それにしても、電車に乗っているのは中高年が多いように感じられた。なるほど、札幌で働くとなると職種を選り好みしていられないわけだ。そう感じた。

 

私はやりたいこと・研究したい分野が固まる前に受験生になり、都内の私立大学を第1志望として、無事そこに進学した。やりたいことが固まっておらず、モチベが続かなくなる危険性に蓋をしたまま。

私の通う大学の学生は、海外かぶれした話し方をするとか、留学に行くだけ行って帰国後には「日本語忘れたわ」とか「価値観変わったわ」とか薄っぺらいことを言いがちだとか、一部の卑屈な民から揶揄されることがある。

私もそういう人間の一員になる危険性は十分にあるのだ。大学に居ては気づくことのできなかった境遇で、彼は自立した生活を送っている。私は彼を見習って、地に足をつけて生きていかねばならない。大学で学ぶならば、目標を見つけなければならないのだと、気が引き締められる思いがした。

 

それから数か月後、私はモチベを見つけた。それはサークルでの活動だ。そこでは大学で学んだ知識をそのまま応用して成果物を作成することが求められる。また高校の時に失敗した、計画的に物事を進めることや組織で仕事を分担することなども求められる。ここでの活動を成功させるためにも、大学での学びというものに真剣に向き合わねばならない。